タニワキログ(Taniwaki-log)

日々感じたことなどを書いていきます。

コタキナバル:2026年10月

ボルネオ島のコタキナバルを訪れることにした。ロイヤルブルネイ航空の成田発フライトでブルネイのバンダルスリブガワンまで6時間、そこで乗り換えてマレーシアのコタキナバルまで約40分。三連休で「きれいな海で泳ぐのもいいなぁ」くらいの軽い気持ちで予約したのだが、実際は2泊4日の強行軍のコタキナバル観光ツアーだった。

 

9日(金)、1145のフライトで成田を発ち、6時間の飛行でブルネイのバンダルスリブガワン空港へ。イスラムの飛行機なのでアルコールの提供はなし。まんじりともしないで6時間。おとなしく機内で過ごす。バンダルスリブガワン空港で2時間少し時間を潰す。といっても大きな空港ではない。持ってきたkindleで読書して過ごす。

 

1830過ぎのフライトで最終目的地のコタキナバルへ。空港出口直前でウィスキーの小瓶を購入。実は成田でウィスキーを買おうとしたのだが、乗り継ぎ便だとバンダルスリブガワン空港で没収の可能性があると言われて泣く泣く購入を断念していたもの。入国手続きで顔写真と両手の人差し指の指紋をとられる。カメラのフレームに収まらないといって後ろに下がるようにいわれる。顔がでかいらしく、税関職員が笑いを噛み殺していた。空港出口の手前で再び荷物のセキュリティチェックを受けて入国。ツアーに参加したのは10数名。用意されていたバスに乗って宿泊先のハイアットリージェンシーキナバルまで車で約20分。ホテル近くのお店でビールとフィッシュ&チップス、それにマレーシア風焼き鳥サテーを食べる。美味だった。

 

10日(土)、6時起床。6時半からホテル内で食事。マレー、中華、南インドなどの料理が混合で美味。ビーフヌードルのスープもよい。8時にホテルを出発。ナバルマーケットで休憩。キナバル山を見上げる。4千メートルの山は想像以上に高い。このあたりかと目を凝らす、その位置からさらに倍の位置に目線を送るとようやく頂上が見える。なんでも山の全容が見えるのは極めて珍しいのだとのこと。確かに買い物している間に、あっという間に雲に隠れてしまう。

ちなみに、キナバルというのはキナ(中国の)バル(未亡人)という意味だという。この地域にいた中国の王子が現地の娘と結婚したものの、途中で中国に帰ってしまい、残された妻(未亡人)が嘆いたという話だという。しかし、実際には「先祖の魂の宿る神聖な場所」を意味する「アキ・ナバル」がなまったという説の方が信憑性がある。ちなみにコタキナバルのコナというのは街のこと。つまり、コタキナバルは「先祖の魂の宿る神聖な街」という意味になる。

 

さて、バスでそのままマレーシア初の世界遺産であるキナバル国立公園へ。ホテルから200kmを超える約3時間の旅。いわゆる熱帯雨林の中を1km程度の軽いトレッキング、と思っていたら、アップダウンが激しくかなり厳しい行程。当地では毎日午後になるとスコールが降るが、昨日の雨は特に激しかったらしく、トレッキング路はかなりぬかるんでいて滑りそうでこわい(写真は森の中の小鳥を撮影)。

しかし、眼にする植物の豊かさ、そして小鳥や蝶との出会いも楽しい。トレッキング路からボタニカルガーデンに入ったものの、相変わらず道の高低はなかなか厳しい。とはいえ、眼にする花々の美しさ、森の中を飛び交う鳥たちの歌声が実に素晴らしい。

 

そこから車で1時間ほど走った高原の街ポリンでローカル料理。といってもチャーハンや牛肉野菜炒めなど、ほとんど中華料理。美味。昼食後、そこから車で5分ほど走ったところにあるラフレシアガーデン。車を降りて5分ほどの場所にある開花しているラフレシアを見学。ラフレシアは世界最大の花と言われているが、そもそもツタなどに寄生している植物で、育つまでに9か月ほどかかるという。きょう見学の花は開花して1日経過したもので75cmもある。たまたま開花に出会えたのはラッキーだったし、なにより美しい。何でも花が見える確率は50%程度だという。花には黒いネットが架けられている。これは、咲いている花の蜜をハチに吸われると花が枯れてしまうからだとのこと。ちなみに、この地域では昔からあちこちでラフレシアの花が咲いていたそうだが、焼畑農業の結果、タネが失われて本当に一部でしか花が見られなくなったのだという。

ちなみに、ラフレシアの蕾も辺りにある。3段階のラフレシアを並べるとこんな感じで成長していく。

 

ラフレシアガーデンを後に、途中休憩も交えながら3時間かけてコタキナバルまで帰ってきた。バスで移動中は激しい雨。やはり雨期ということで午後には雨になる日が多いのだという。夜は海鮮中華。お店の回りは華僑が多く住んでいる高級住宅地。美味。ホテルに帰ってきた後、近くのスーパーにて買い物。土曜の夜は遅くまで賑わっていた。

 

11日(日)、朝6時半から近くのサンデーマーケットを見物。地元の人たちで賑わっている。その後、ホテルで昨日と同様の朝食。9時半にホテルを出発して車で1時間弱の動物園ロッカウィ・ワイルドライフパーク。ジャングルの中にある動物園の趣。マレーシアの国鳥であるサイチョウやテングザルが楽しい。

ステージでは華やかな鳥たちが飛行するショー。体長10メートル程度の蛇に触れる機会もあった。濡れた感じだが、実際は空気の少し抜けたタイヤのように乾いている。

 

動物園から1時間程度車で移動した後、マレー料理の昼食。というけれど、ほとんど中華料理。その後、市内の水上モスクや街の散策。散策というけれど、実際には気温32度の灼熱地獄の中をひたすら歩くだけで気が遠くなる。

 

ホテルの前にあるモニュメントを撮影。

その後も土産物屋などを何軒か回る。ツアーは自分で手配しないでよいのは素晴らしいが、こうした日程は土産物に全く興味のない私には苦痛ですらある。ところで、ガイドさんと話していると当地のガソリンは半額政府が補助していて約160円程度とのこと。日本と補助率は違うものの全体額の水準は似ている。石油を産出する国でもこのような状況とは知らなかった。

 

夕刻、空港に向かう。ここでトラブル発生。夜9時予定のフライトが大幅に遅れるという。結局、夜中の1時にコタキナバル空港を出る。この時、出国手続きで再び顔がでかいので後ろに下がれと指示される。見事にフレームインして職員のガッツポーズをもらった後、バンダルスリブガワン空港で急いで乗り換えて成田まで6時間。結果的に当初の予定から1時間程度遅れただけで帰国。強行軍で疲れたが、よい気分転換になり、またマレーシアの人々の優しさに触れることのできた素晴らしい旅になった。

 

この深夜の空港でも偶然の出来事が。空港でまったりとフライトを待っていたら総務省の後輩によく似た御仁が通り過ぎる。アジア顔なので「似た人がいるもんだ」くらいに思っていたら何とご本人。この間NISCの同窓会で会ったばかり。そんな偶然ありますかね。お互いアジア顔なので3回すれ違って初めて「Fさんだよね」「タニワキさんですよね」となった次第。アジアの片隅の空港でお互いの家族を交えて大笑いだった。

 

 

映画ログ:2026年9月

ブラックベリー⭐️⭐️⭐️(3)

 

2002年から2005年までワシントンDCで勤務した私にとって、この端末は忘れ難い。私自身はガラケーを使っていたが、カンファレンスなどにいくと殆どの人がブラックベリーを使っていた。アメリカに赴任する前に買って行ったソニーのクリシェは今にして思うと、実に先進的なデザインだった。あれはiPhoneの前触れだった。

 

ともあれ、映画作品としては普通の内容。しかし、このブラックベリーの衝撃的なデビューから没落までのストーリーは、2007年のiPhone登場もあり、実に興味深い。後半でSECの操作の手が及んでくるのも緊張感を高める。IT業界で働いてきた一人として実に興味深い作品だった。

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ヒンド・ラジャブの声⭐️⭐️⭐️⭐️★(4.5)

 

日曜日の朝、新宿武蔵野館は4割程度の入り。高齢者多し。それにしても、この映画どう評価すればよいのか。ガザ地区でイスラエルの攻撃を受けたある家族の中の6歳の少女が車の中で生き残り、赤新月社の司令室と電話でつながる。その声は実在した少女の声。これをもとに作品が組み立てられる。現場まで8分という至近距離にいながら敵イスラエル軍の了解をとらないと救急車を派遣できないという状況。そもそも赤十字社の救急車に攻撃してはいけないのは国際法的に常識。彼女の乗っていた車は300発以上の銃弾が打ち込まれていた。必要なはずがない。考えさせられる作品。いつもより100円高いなと思ったら、遺族や赤新月社への寄付に充てられるとのこと。サムネイルに出てくるこの写真が哀しい。 

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ルックバック⭐️⭐️⭐️⭐️★(4.5)

 

アニメ版も感動したが、是枝監督のこの実写版も素晴らしい作品。田んぼの中、雪の中、挿入されるジブリ男鹿和雄の絵、そして後半で出てくるシーンなど、畦道が重要な役割を果たす。特に京本奏役の牧田彩珠の演技が印象的。何度も見たくなる良質なドラマ。劇中に出てくる作品「メタルパレード」が掲載されたブックレットが貰えた。
 

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ファンファーレ⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

フランス作品。生き別れの兄弟が出会い、エピソードを重ねていく。途中のコンクール決勝のところがクライマックスかと思いきや、そこからさらにストーリーが二転三転してエンディングに向かう。フランスらしい人間臭い作品で個人的には大好物。

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ここに幸あり⭐️⭐️⭐️(3)

 

原題"Jardines en automne"(秋の庭)。2006年製作のフランス映画。大きなイベントは何も起こらない。小さなエピソードが積み重なっていく感じ。昔パリに暮らしていたこともあるので、ちょっとしたところが面白い。例えばアパルトマンを不法占拠していたアフリカ系の一群が出ていく時のピンクの格子柄のバッグがそれっぽい。物語ん展開はドラマティックではない。しかし、次から次へと展開するなんでもないエピソードの一つひとつが人間のもの哀しさや面白さが感じられる。フランスが小津作品が好きな理由が分かる気がする。

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映画ログ:2026年8月

木挽町の仇討ち⭐️⭐️⭐️⭐️★(4.5)

 

仇討ちを実現するまでの苦労話かと思いきや、さにあらず。いろんな登場人物が仇討ちの背景や真実を語る中で、事件の本当の姿が立体的に浮かび上がってくる。父と息子、若とお付き、芝居小屋の連中との交流など、温かいエピソードが鮮やかな色彩と共に重ねられていく。大名行列のシーンもまたよい。素晴らしい作品だった。お勧め。

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ジョゼと虎と魚たち⭐️⭐️⭐️★(3.5)

 

 ばけばけの母親役で初めてみた池脇千鶴が実によい演技をしている。その母親役の新屋英子がまた味がある。ラストシーン近くの妻夫木聡の涙で映画全てを総括する。切ない映画だった。作品を見終わってタイトルの意味を理解した。

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モロッコ、彼女たちの朝⭐️⭐️⭐️(3)

 

モロッコの映画。英語題Adam。夫を無くした女性とその娘が暮らすパン屋に、妊娠した女性が転がり込む。セリフが極端に少なく、映像もハンディカメラの揺れを感じる。ただし、映像は美しくフェルメールのような画調。後半からエンディングにかけての感情の揺れが素晴らしく繊細。女性監督の長編初監督作品とのことだが、ひじょうに丁寧に作られた、そしてモロッコの家族関係を覗きみることのできた作品。

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ぼくが生きる、ふたつの世界⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

聴覚障害の両親から生まれた健常者の子供(コーダ)を吉沢亮が演じる。10代後半の母親への反抗、東京に出て得られた自由、自分も経験を積んで初めてわかる親の愛。こうした普遍的な体験を音のある世界と音のない世界という二つの世界を行き来しながら、次々に見せてくれる。駅でのラストシーンは鳥肌が立つほど素晴らしい。

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ミッドナイトタクシー⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

NHKの連続ドラマ全32話。主演の古川琴音の落ち着いた演技が素晴らしい。まるで深夜食堂のタクシー版のような落ち着いた、味のある人間模様を描く、コクのある作品。のべ1週間ほどかけて視聴完了。

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翳りゆく夏⭐️⭐️⭐️★(3.5)

 

WOWOW製作作品はいずれも質が高い。この作品も一気に視聴したが、登場人物のキャラクターが丁寧に形づくられていて、その上に複雑な、しかし真相があきらかになるとシンプルなプロットが明快になるのがよい。菅田将暉とか大学生役を演じている。若い。

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平場の月⭐️⭐️⭐️⭐️★(4.5)

 

50代以降に刺さる映画。主役の二人の会話が自然で、とても味わいがある。語りすぎない。演技の自然さ、内面から出てくる優しさやちょっとした戸惑いが心に響く。映画の構成もよく練られている。そして、居酒屋の大将役の塩見三省が素晴らしく良い。最近の日本映画の素晴らしさを象徴するような作品。

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新凱旋門物語⭐️⭐️(2)

 

恵比寿ガーデンシネマにて。観客10名程度。新凱旋門は私がパリに住んでいた1989年のパリ祭の時に竣工した。その思い出もあり映画を見たのだが、正直、映画的な興奮はほとんどなく評価低。まったく名前の知られていない新凱旋門の設計家が奮闘するも厳しい現実の中でもがく姿を描いている。ミッテラン大統領が本プロジェクトにここまで関与していたのかというのに少し驚く。

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時には懺悔を⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

この映画、キャスティングの豪華さに惹かれて見に行った。誘拐をきっかけとするミステリーかと思いきや、さにあらず。人間の弱さと強さ、生きることの意味、善悪の割り切れない感情、無償の愛など、様々な要素が交錯する深みのある作品だった。他の方々も指摘されているように、宮藤官九郎の演技が特に印象に残るが、その妻の役を演じた烏森まどの演技もとても印象に残る。

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石巻&女川再訪:2026年8月

台風15号が接近している。そんな最中、以前から予定していた石巻&女川への再訪旅に。15年前に東日本大震災の後、3か月後から現地に数回入り、これらの地域にも足を運んだ。今、被災地はどうなっているのだろう。東北出張で仙台に赴く機会はあるものの、それ以外の地域を訪れる機会はなかなかなかった。

 

朝の新幹線で仙台へ。まだ雨はそれほどの勢いではない。レンタカーを借りて牡鹿半島に向かう。石巻を過ぎて山道に入ったあたりから猛烈な風と雨。小さい車なので、風に煽られて左右に揺れる。途中、東松山の道の駅に立ち寄った後、午後2時半には海岸近くの宿「さか井」に到着。部屋からは広大な海と金華山が見えるが、靄がかかって墨絵のようになっている。

風雨が強く、どうしようもない。大浴場に浸かり、あとは読書。ここは崖の上にあるので、震災当時も宿の損壊は免れたとのこと。少し早めに美味しい料理をいただき、早々に就寝。

 

翌日、まずは女川に向かう。山道には昨夜の暴風で木の枝が散乱していて最新の注意を払いながら運転。女川の様子はテレビなどでは拝見していたが、駅前をしばらく散策して、交番が震災遺構として保存されているのを見る。見上げると盛り土した上に建物が並んでいるのがわかる。

その後、登米市にある長沼ダム自然公園へ。長沼はちょうどハス祭りのシーズン。時折激しい雨になるが、その合間を縫ってボートでハスの群生地の花々を見る。

登米の食堂で昼食を済ませた後、震災遺構となっている大川小学校を訪問。震災の数ヶ月後に伺った際は何人ものお坊さんが読経し、お線香の煙が充満していた光景が脳裏に焼き付いている。しかも学校の入り口に少し立ち寄っただけで、後は瓦礫が山のようになっていて入れなかった。今回訪れると、遺構として学校を残しながらも津波がいかに激しいものだったのか、いろいろな思いが交錯する。写真でもわかるが、少し小高いところで震災ボランティアの方が説明している。

その後、石巻市街まで戻り、みやぎ東日本大震災津波伝承館へ。震災当時、南浜地区を通るとポツリポツリと家が残っていたのを覚えている。そのエリア一体が公園となっている。丘に登ると当時の写真との比較も。

伝承館の中に入ると震災ボランティアの皆さんが熱心に説明してくれる。映像資料も多数用意されていて、震災の実態やこれからの震災への備えなどについて多角的に教えてくれる。

伝承館から振り返ると、被災した門脇小学校も見える。震災遺構として後世に伝えていく意味は大きいと改めて感じる。雨が降ったり急に陽が差したりという不安定な天気。ふと見上げると虹が部分的に見える。

あの看板のところにも立ち寄り。

夜は石巻グランドホテルに宿泊。すぐ近くに移転した老舗かめ七呉服店があるので訪問してみた。残念ながらお盆休みだったが、15年前に雑誌協会の皆さんと一緒にかめ七さんの旧店舗に子供達が漫画を読めるようタブレット端末と通信環境を整備したのを思い出す。その頃お店で買ったタオルは今も持っている。このタオルとどれだけの数の国々を旅したことだろう。というわけで記念撮影。また来ます。

 

翌日、早朝に起きると奇跡的に雨は降っていない。まんがロードを歩いて写真を撮る。石巻駅に向かう途中、見覚えのある石巻市役所の建物も見える。ここはもともと百貨店の建物で南側に窓がほとんどない。そのため、当時は衛星電話を受信するお皿が設置できず、通用口の近くにお皿を置き、担当者の方が電話がかかってくると知らせに行っていたのを思い出す。石巻駅のサイボーグ009のキャラクターがよい。

駅構内から出ると、朝日を望む003の横顔が美しい。

勢いに乗って仮面ライダーと記念撮影。

ホテルで朝食を済ませた後、待望の石ノ森萬画館へ。震災当時は津波で大きな被害を受けていた宇宙船のような建物の姿を覚えている。ボランティアの力も借りて復興したこの施設。朝9時の開館と同時に駆け込んで展示を拝見。建物は何度も見ているのだが、こうして展示を見ることができたのは初めて。15年の月日をしみじみと感じる。館内でまずは仮面ライダーと記念撮影。

展示内容も素晴らしかった。サイボーグ009や仮面ライダーはリアルタイムで視聴していたので、やはり懐かしい。石森作品もまた読み返してみたい。後ろ髪を引かれながら松島に向かう。すごい渋滞。かろうじて車を止めて散策。

車に乗り込むと雨が激しくなり、降りると薄陽が射す、という状況で何とか3日間の日程を終える。台風でまったく散策できないだろうと諦めていたのだが、本当に恵まれた。思い出深い石巻&女川再訪だった。







 

 

映画ログ: 2026年7月

黒牢城⭐️⭐️⭐️(3)

 

劇場はトイストーリーを見に来た子供達でごった返している。そんな中、本作品は合戦のシーンとかほとんど出てこない。見終わったあと、「なんだ、ほとんど理解できなかった」と思ったのだが、帰宅後に解説動画などを何本かみて、この映画の構造とかテーマを知り、もう一度見たくなった。なんとなく時代劇ミステリーを想像していたのだが、そうではない。テーマはこの時代の閉塞感とか息苦しさとか、そういうところにある。それにしても2時間半は爺さんにはつらい。

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ガス人間⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

子供の頃、映画「ガス人間第一号」をみて怖いけれど物悲しい感じをしたのを思い出す。これをベースにしたNetflix作品も似たテイストが感じられつつも、現在のテイストがしっかり盛り込まれている。脚本がとてもよい。そしてガス人間の描き方もお化けのようにならず、実に巧みな抑揚の効いた感じ。出演者の演技も素晴らしい。

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幸せの隠れ場所⭐️⭐️⭐️★(3.5)

 

原題The Blind Side。久しぶりにアメリカのハートウォーミングな映画。黒人の青年が白人家庭の一員となり、アメフトで自分の道を切り開いていく。これが実話だということに驚く。エンドロールにはご本人や実際の家族も写真で登場する。驚いたのはこの作賓が公開されたあと、主人公が家族を裁判で訴えるほどもめたという事実。訴訟社会のアメリカとはいえ、これはびっくり。

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殺人者⭐️⭐️⭐️★(3.5)

 

全7話@Amazon Primeを一気に視聴。無差別殺人とベビーフードの話の関連性は次第に明らかになっていく前半部分の緊迫感は見事。後半に入って少しテンポが間延びしているのが残念。クライマックスに向けて伏線は丁寧に回収されていく。

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映画ログ:2026年6月

大濛”A Foggy Tale”⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

台湾作品。邦題「霧のごとく」。長期に及ぶ戒厳令下における市井の人々を少女の視点を中心に丁寧に描く。脚本の手堅さ、一つ一つの映像の丁寧な美しさ、そして「雲と霧」をテーマとする生き様、派手さはないが深みのある物語が静かな感動を呼ぶ。そして最後の最後のシーン、涙が出た。実際に台湾を旅してみてもっと台湾の歴史を知らなければならないと思ったものだが、この作品でも本省人や外省人の話が出てくる。(6/1)

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マイケル⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 
IMAXでこの週末に先行上映していたので早速みてきた。本当によくできているし、主演のJaagfar Jackson(Jermaineの息子、つまりMichaelの甥っ子)の演技とダンスも素晴らしい。幼年期からジャクソン5、そしてソロキャリアでの成功まで手際良く描く。ぜひともIMAXをお勧めしたい。
 
ただ、既に指摘されているように88年のロンドンウェンブリー公演までを描いていて、「彼の物語は続く」という文字が出て終わる。その後の彼の皮膚疾患、オプラのインタビュー、連続する訴訟、復活公演の準備、そして死までの彼のつらい部分がない。そこまで描いた方が彼の人生の哀しさが浮き上がると思うが、制作陣にジャクソンズのメンバー(兄たち)も入っているので無理だったか。Chat GPTは続編の可能性もあるというが、どうだろう。ともあれ、繰り返しになるが映画そのものは120%楽しめる。もう一度みたいと思わせてくれる。
 
88年ロンドン公演でこの作品は終わるのだが、その年の6月、私はパリ16区に住んでいて歩いて20分の近くのサッカー場Parc des Princesでマイケルの公演をみたのを覚えている。あれが本格的な最初のソロツアー(Bad World Tour)だったのか。なかなか日が沈まないパリでマイケルがまったく止まることなく踊りながら息も荒れることなく歌っていた姿を思い出す。あれが40年近く前なのか。
 
(追記)この作品をみて1週間、彼の動画をいろいろみていたが、ゴシップの波に飲み込まれてしまう前のロンドン公演でストーリーを終えたのは正解だったように思えてきた。

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銀河鉄道の父⭐️⭐️⭐️★(3.5)

 

役所広司の出演作は作品として好みなので努めてみている。この作賓もあまり期待しないで見始めたのだが、宮沢家の家族愛に何度となく涙を流した。特に妹役の森七菜の演技が素晴らしい。そして名作「雨にも負けず」の感じがよく伝わってきた。

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映画ログ: 2026年5月

黒革の手帖⭐️⭐️⭐️★(3.5)

 

Netflix作品「地獄に堕ちるわよ」で銀座のクラブの世界を覗いたついでに、数年前の松本清張原作「黒革の手帖」の武井咲バージョンを視聴。テレビ朝日製作の全8話。またしても一気見、やってしまった。みんな強欲で自分勝手。どこまでも懲りない人たちの動きがドラマの中で炸裂する。松本清張というと昭和の匂いが色濃く出るが、この作品は現代風になっている。

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火の魚⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

FBの記事で本作を知る。NODにて視聴。2009年広島放送局の製作。主演のお二人、特に尾野真千子の抑制の効いた演技がよい。死、孤独、恐怖、そして共鳴。この歳でみると一層内容が胸に染みる。素晴らしい作品。

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秋が来るとき⭐️⭐️⭐️⭐️(4)

 

原題"Quand vient l'automne"。フランソワ・オゾン監督は「名匠」と呼ばれていることを視聴後に知る。作品そのものは静かに、そして巧みに運ばれていく。エピソードが切れ目なく滑らかに流れるように進んでいく。その中にある親子の感情、老いることの悲しさ、良かれと思って悪い結果が出る皮肉、そういう人生のいろんな要素が織り込まれている。作品としての完成度は高く、たしかに名匠と呼ばれるだけのことはある。俳優陣もすばらしく、特に主軸となる女性二人の存在感が素晴らしい。

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