ボルネオ島のコタキナバルを訪れることにした。ロイヤルブルネイ航空の成田発フライトでブルネイのバンダルスリブガワンまで6時間、そこで乗り換えてマレーシアのコタキナバルまで約40分。三連休で「きれいな海で泳ぐのもいいなぁ」くらいの軽い気持ちで予約したのだが、実際は2泊4日の強行軍のコタキナバル観光ツアーだった。
9日(金)、1145のフライトで成田を発ち、6時間の飛行でブルネイのバンダルスリブガワン空港へ。イスラムの飛行機なのでアルコールの提供はなし。まんじりともしないで6時間。おとなしく機内で過ごす。バンダルスリブガワン空港で2時間少し時間を潰す。といっても大きな空港ではない。持ってきたkindleで読書して過ごす。
1830過ぎのフライトで最終目的地のコタキナバルへ。空港出口直前でウィスキーの小瓶を購入。実は成田でウィスキーを買おうとしたのだが、乗り継ぎ便だとバンダルスリブガワン空港で没収の可能性があると言われて泣く泣く購入を断念していたもの。入国手続きで顔写真と両手の人差し指の指紋をとられる。カメラのフレームに収まらないといって後ろに下がるようにいわれる。顔がでかいらしく、税関職員が笑いを噛み殺していた。空港出口の手前で再び荷物のセキュリティチェックを受けて入国。ツアーに参加したのは10数名。用意されていたバスに乗って宿泊先のハイアットリージェンシーキナバルまで車で約20分。ホテル近くのお店でビールとフィッシュ&チップス、それにマレーシア風焼き鳥サテーを食べる。美味だった。
10日(土)、6時起床。6時半からホテル内で食事。マレー、中華、南インドなどの料理が混合で美味。ビーフヌードルのスープもよい。8時にホテルを出発。ナバルマーケットで休憩。キナバル山を見上げる。4千メートルの山は想像以上に高い。このあたりかと目を凝らす、その位置からさらに倍の位置に目線を送るとようやく頂上が見える。なんでも山の全容が見えるのは極めて珍しいのだとのこと。確かに買い物している間に、あっという間に雲に隠れてしまう。

ちなみに、キナバルというのはキナ(中国の)バル(未亡人)という意味だという。この地域にいた中国の王子が現地の娘と結婚したものの、途中で中国に帰ってしまい、残された妻(未亡人)が嘆いたという話だという。しかし、実際には「先祖の魂の宿る神聖な場所」を意味する「アキ・ナバル」がなまったという説の方が信憑性がある。ちなみにコタキナバルのコナというのは街のこと。つまり、コタキナバルは「先祖の魂の宿る神聖な街」という意味になる。
さて、バスでそのままマレーシア初の世界遺産であるキナバル国立公園へ。ホテルから200kmを超える約3時間の旅。いわゆる熱帯雨林の中を1km程度の軽いトレッキング、と思っていたら、アップダウンが激しくかなり厳しい行程。当地では毎日午後になるとスコールが降るが、昨日の雨は特に激しかったらしく、トレッキング路はかなりぬかるんでいて滑りそうでこわい(写真は森の中の小鳥を撮影)。

しかし、眼にする植物の豊かさ、そして小鳥や蝶との出会いも楽しい。トレッキング路からボタニカルガーデンに入ったものの、相変わらず道の高低はなかなか厳しい。とはいえ、眼にする花々の美しさ、森の中を飛び交う鳥たちの歌声が実に素晴らしい。

そこから車で1時間ほど走った高原の街ポリンでローカル料理。といってもチャーハンや牛肉野菜炒めなど、ほとんど中華料理。美味。昼食後、そこから車で5分ほど走ったところにあるラフレシアガーデン。車を降りて5分ほどの場所にある開花しているラフレシアを見学。ラフレシアは世界最大の花と言われているが、そもそもツタなどに寄生している植物で、育つまでに9か月ほどかかるという。きょう見学の花は開花して1日経過したもので75cmもある。たまたま開花に出会えたのはラッキーだったし、なにより美しい。何でも花が見える確率は50%程度だという。花には黒いネットが架けられている。これは、咲いている花の蜜をハチに吸われると花が枯れてしまうからだとのこと。ちなみに、この地域では昔からあちこちでラフレシアの花が咲いていたそうだが、焼畑農業の結果、タネが失われて本当に一部でしか花が見られなくなったのだという。

ちなみに、ラフレシアの蕾も辺りにある。3段階のラフレシアを並べるとこんな感じで成長していく。

ラフレシアガーデンを後に、途中休憩も交えながら3時間かけてコタキナバルまで帰ってきた。バスで移動中は激しい雨。やはり雨期ということで午後には雨になる日が多いのだという。夜は海鮮中華。お店の回りは華僑が多く住んでいる高級住宅地。美味。ホテルに帰ってきた後、近くのスーパーにて買い物。土曜の夜は遅くまで賑わっていた。
11日(日)、朝6時半から近くのサンデーマーケットを見物。地元の人たちで賑わっている。その後、ホテルで昨日と同様の朝食。9時半にホテルを出発して車で1時間弱の動物園ロッカウィ・ワイルドライフパーク。ジャングルの中にある動物園の趣。マレーシアの国鳥であるサイチョウやテングザルが楽しい。

ステージでは華やかな鳥たちが飛行するショー。体長10メートル程度の蛇に触れる機会もあった。濡れた感じだが、実際は空気の少し抜けたタイヤのように乾いている。
動物園から1時間程度車で移動した後、マレー料理の昼食。というけれど、ほとんど中華料理。その後、市内の水上モスクや街の散策。散策というけれど、実際には気温32度の灼熱地獄の中をひたすら歩くだけで気が遠くなる。

ホテルの前にあるモニュメントを撮影。

その後も土産物屋などを何軒か回る。ツアーは自分で手配しないでよいのは素晴らしいが、こうした日程は土産物に全く興味のない私には苦痛ですらある。ところで、ガイドさんと話していると当地のガソリンは半額政府が補助していて約160円程度とのこと。日本と補助率は違うものの全体額の水準は似ている。石油を産出する国でもこのような状況とは知らなかった。
夕刻、空港に向かう。ここでトラブル発生。夜9時予定のフライトが大幅に遅れるという。結局、夜中の1時にコタキナバル空港を出る。この時、出国手続きで再び顔がでかいので後ろに下がれと指示される。見事にフレームインして職員のガッツポーズをもらった後、バンダルスリブガワン空港で急いで乗り換えて成田まで6時間。結果的に当初の予定から1時間程度遅れただけで帰国。強行軍で疲れたが、よい気分転換になり、またマレーシアの人々の優しさに触れることのできた素晴らしい旅になった。
この深夜の空港でも偶然の出来事が。空港でまったりとフライトを待っていたら総務省の後輩によく似た御仁が通り過ぎる。アジア顔なので「似た人がいるもんだ」くらいに思っていたら何とご本人。この間NISCの同窓会で会ったばかり。そんな偶然ありますかね。お互いアジア顔なので3回すれ違って初めて「Fさんだよね」「タニワキさんですよね」となった次第。アジアの片隅の空港でお互いの家族を交えて大笑いだった。













